
旅行前に映画『ノッティング・ヒルの恋人』を初めて観たが、今でもノッティング・ヒルを聖地巡礼している人はいるのだろうか。

落ち着いた住宅街と小さなお店が並ぶ街。建物のカラーリングがパステル調。


まさかラフ・トレードがこんな高級住宅街にあったとは。

ラフ・トレードはジェフ・トラヴィスが1976年にノッティング・ヒルにレコード店としてオープンし、2年後にレコード・レーベルも開始した。

ラフ・トレード最大のヒット・メイカーは自分が初めてそのデビューから解散まで熱狂的に見届けたロック・バンド、ザ・スミスだ。
自分が若かった1980年代の前半は人生に失望する出来事ばかりで、そんな自分に自虐的なモリッシーの歌詞、ジョニー・マーの繊細なギターサウンドが突き刺さって来た。
多分当時のイギリスの若者は僕と同様に、モリッシーが自分のことを歌ってくれているように感じていたのだと思う。
そんなザ・スミスのレコードを次々に世界に送り出していたのがラフ・トレードだ。
他にもラフ・トレードは重要なポスト・パンク作品を沢山リリースしていた。
どちらかというと先鋭的で耳に優しくない音楽が多いラフ・トレードだから、それらをリリースしていたレーベルがこんな静かな高級住宅街にあったのが意外だった。

現在ある店舗は元のケンジントン・パーク・ロードからタルボット・ロード付近に移転した場所ではあるが、歩いて2分ほどの位置なので立地している雰囲気はほぼ同じと言っていい。

Rough Trade, Ladbroke Grove
The store was the first Rough Trade shop and opened at 202 Kensington Park Road in 1976.
It later moved to 130 Talbot Road where it continues to trade today.



荷物が増えるのは困るのでLPではなく7インチを買うことにしワンダー・スタッフのレコードとラフ・トレードのTシャツを買ってノッティング・ヒルを後にした。